20230709j昨年上映した、映画「我が友・原子力~放射能の世紀」の姉妹編です。
日時:7月9日(
 10:00~11:25
  監督トーク11:30~12:30
 13:30〜14:55
  監督トーク15:00~16:00
会場:松江市民活動センター(スティックビル)0852-32-0800 5F交流ホール
参加費:前売券1,000円、当日券1,300円、20歳以下、車椅子、介助者無料
主催:「核の大地―プルトニウム物語」上映実行委員会(松江キネマ倶楽部、島根原発1,2号機差止め訴訟原告団、島根原発3号機訴訟の会、人権パッチギ松江)
前売りチケット取扱店:島根県民会館、テルサ
チケット予約・連絡先:090-3638-5438(森) 前売券予約フォーム」から予約できます。

 廃炉・除染、廃棄物処理と長期保管、安全管理、危機管理(ウクライナを見よ)、、もはや経済性ゼロの原発から離脱を決断できない理由はどこにあるのか? 一度事故を起こせば地域の文化と生活が破戒されるのに。事故当日発令された「原子力緊急事態宣言」は12年たった今でも解除できない状態だ。

 廃炉作業に40年かかるというがこれはウソである。何年かかるか予想できないのでとりあえず「40年」と言っている。10年前も「40年」と言っていたし、10年後もたぶん「あと40年」と言うであろう。もはや終わりのない、生産性のない産業となりつつある。

 日米仏の核開発の絡みと歴史を、プルトニウムという物質に焦点を絞ると核武装と原子力利権が透けて見える。そしていつも使用済み燃料の再処理施設で働く作業員と周辺住民の被爆被害は隠される。

 この映画は、米国、フランス、日本。3国の原子力施設の中でも、使用済み燃料の再処理施設すなわちプルトニウムの生産工場と、周辺住民、自治体との関わりを描いている。米国がプルトニウムを原爆材料として発見・生産した歴史。フランスが使用済み燃料の再処理という形でプルトニウムの取り出しを商業化した経緯。米仏の隙間に食い入った日本の核燃料サイクルシステム。プルトニウムを介し日米仏の地政学的関連を検証する。

 当日は渡辺監督がフランスから松江の会場まで駆けつけてくれます。映画とともに、監督のトークをお楽しみください。

【監督プロフィール
渡辺謙一(わたなべけんいち)
 1975年契約助監督として岩波映画製作所入社、1981年毎日放送・文明シリーズ“ザ・ビッグデイ”で監督デビュー、映画の発明・リュミエール兄弟、女性史の誕生・高群逸枝など、1984年文化庁在外研修員としてパリに1年留学、1997年パリに移住、フランスや欧州のテレビ向けドキュメンタリーを制作。『桜前線』で2006年グルノーブル国際環境映画祭芸術作品賞受賞。近年は『天皇と軍隊』(2009)、『ヒロシマの黒い太陽』(2011)、『フクシマ後の世界』(2012)、『核の大地ープルトニウム物語』(2015)、『国家主義の誘惑』(2018)、『我が友・原子力~放射能の世紀』(2020)など、欧州において遠い存在であるヒロシマやフクシマの共通理解を深める作品制作に取り組んでいる。

(監督:渡辺謙一/2015年/84分)